月経前症候群PMSの身体的症状で、人によって腰痛になることがあります。
腰痛になるPMS症状はどういうものか、原因や症状を緩和させる方法を紹介します。
腰痛になるPMSの具体的な症状について
PMS期には、生理の時のように腰が痛かったり、腰が「ずん」と重かったりすることがあります。
生理痛でもないのに、生理痛のような痛みを感じるなんておかしい、原因は何だろう、何か腰痛になるようなことをしたのかな、と不安に感じたことがある人も多いかと思いますが、腰痛はPMSの症状のひとつです。
確かに、日常的にデスクワークが多かったり、姿勢が悪かったりと腰痛の原因が思い当たる場合もあるかと思いますが、
PMSによる腰痛は筋肉の痛みというよりは、もう少し身体の内部から出てくるような痛みです。
よく思い返してみて、生理前や生理時に限らず、いつも腰が痛いのであれば、PMS症状によるものではないふつうの腰痛だと思っていいでしょう。
時期的に腰痛になるのがいつも生理になる1週間から2週間前であるならば、PMS症状による腰痛だといえるでしょう。
このPMSによる腰痛は、誰にでも起こるものではなく、まったく感じない人もいます。
また、毎月感じるわけではなく、ひどい腰痛に悩まされる月と全く平気な月がばらばらにやってくる人もいます。
生理前症候群PMSで腰痛が出る原因
排卵後から生理までの間の黄体期にはいろいろな女性ホルモンが急激に分泌されます。
その中の一つに、プロスタグランジンというのがあるのですが、このホルモンは子宮を収縮させ、経血をスムーズに体外に出す作用があります。
激しい子宮の収縮のために、子宮の周りや骨盤の周りが血行不良となり、それに伴い、腰痛が出るとも言われています。
また、プロスタグランジンは、痛みを感じる閾値(最小限の値)を下げる作用があるので、このプロスタグランジンがたくさん分泌されてしまいますと、腰痛が出てしまいます。
生理痛がひどい人とほとんど感じない人の違いは、プロスタグランジンの分泌量の違いだと言われており、プロスタグランジンの分泌が少ない人は生理痛がないようです。
また、リラキシンホルモンの分泌も腰痛には関わっています。リラキシンは妊娠中に分泌すると骨盤が開きやすくなり出産しやすくなる作用がありますが、妊娠中以外にも生理前に分泌され、骨盤が開きやすくなり経血が出やすくなるよう作用します。
この骨盤の結合がゆるくなっているときに姿勢が悪かったりすると骨盤を正しく支えることができず腰痛になってしまいます。
それ以外にも、冷えによる血行不良によって腰痛がひどくなることがあります。
PMS期の腰痛を緩和させる方法
腰痛の原因となるプロスタグランジンですが、プロスタグランジンは下記のように多数の種類あり、腰痛の原因となるものと、逆に腰痛などの生理痛を緩和してくれるものがあります。
- 血圧低下作用のあるPGA、PGB、PGC
- 血小板凝集作用・睡眠誘発作用のあるPGD
- 動脈管開存作用・子宮収縮作用のあるPGE1
- 平滑筋収縮・末梢血管拡張・発熱・痛覚伝達・骨新生・骨吸収などの作用のあるPGE2
この体によい影響を与えてくれるほうのプロスタグランジンを作る働きのある食べ物には、EPAやDHAを含む青魚があります。
たとえば、サンマやサバ、イワシなどを食べるとよいでしょう。また、ナッツ類に含まれるリノール酸も腰痛を緩和してくれるプロスタグランジンを作ってくれます。
リラキシンによって骨盤が開いているときに腰痛にならないためには、ふだんから運動をして骨盤の周りに筋肉をつけておくことが大切です。また、猫背だったり体が左右どちらかに傾いていたりすると腰痛になりやすいので、ふだんからよい姿勢を心がけておくことも必要です。
血行不良も腰痛の原因となりますし、痛みがますますひどくなる原因でもあります。骨盤の周りはいつも温かくするようにしましょう。カイロをはったり腹巻をしたり、冷房が効きすぎた部屋ではひざ掛けをかけるのもいいでしょう。
冷たいものはあまり飲まないようにして、温かいハーブティーなどを飲んで気持ちをリッラクスするようにするとPMSの症状が緩和されます。お風呂もシャワーで済ませがちですが、できるだけ湯船につかるようにして体を温める方が腰痛の緩和にはよいでしょう。
よほど激しい腰痛に悩まされているようなら、お薬に頼る方法もあります。プロスタグランジンの分泌を抑えるお薬がありますので食べ物で改善されない場合は病院で処方してもらうこともできます。
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